「得手に帆をあげて」を支える「経営に終わりはない」

「得手に帆をあげて」を支える「経営に終わりはない」

「大企業病に犯されない経営」

「得手に帆をあげて」を支える「経営に終わりはない」

「大企業病に犯されない経営」

"1965 Honda CB77 Super Hawk" by twm1340 is licensed with CC BY-SA 2.0. To view a copy of this license, visit https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/

 

藤沢武夫さんからご著書を通じて教わったことの続きです。

「得手に帆をあげて」は本田宗一郎さんのご本ですが、この本に対して藤沢武夫さんはあまり良い評価をされていなかった様に記憶します。
「せっかく伝えるべきことがあったのに、伝えていない。」と書かれていたことを記憶しています。

 

創業者の薫陶をホンダで直接受けた人たちから「叔父さん」と呼ばれていたらしい藤沢武夫さんですが、一族経営とならない様に注意していた様です。
実際に本田宗一郎の弟さんも会社を途中で離れています。
「おそらく、叔父さんの差し金」と関係者も書いています。
藤沢武夫さんの一族も、車と関係のない仕事をされた様に伺います。

 

「大企業病に犯されない経営」

 

「経営に終わりはない」で示されていた事は、こういうことではなかったかと思うのです。企業が存続する限り、経営に終わりはありません。
創業者は博打打ちで「得手に帆をあげて」進む人です。でもそれを受け継ぐ人が博打をやってはいけない。
企業が持続するために何をなすべきか。

 

それを示し、支えたのが藤沢武夫さんだと私は理解しています。
そしてどんなに仲が良く、うまくやっていけても25年も一緒にやっていれば別れが来るとさっぱり会社を退き、相談(されない)役、最高顧問という経営にはタッチしない役を作り、社内派閥の芽を極力排除する。
先が見え自分たちのコアは何かをよく理解している経営者は、迷いがないものだと感心したのをよく覚えています。

 

翻って、私たちは自分の身が可愛いばかりです。
とても藤沢武夫さんには近づく事はおろか、どんどん離れている様にしか思えません。

 

全体と時期を見据えて、自分がどう考え動くべきか。

 

これを考える事ができる人間に、少しでも近づきたいと思うのです。