オーディオについて、漸く判って来た事
1)オーディオは値段にかかわらず良いものがある。それは結局作り手の良心と感性の
賜物だ。問題はどうやってそのような良いものを選ぶかと、その方向が自分にあって
いるかどうかだ。
2)基本(部屋、電源、振動対策、セッティング)をしっかりやる事がもっとも大事な
ことだ。
3)部屋のコンディショニングは最後のチューニング項目だが、ままならないことも多い。
4)素性が良いものを弄るのはかまわないが、壊したら元も子もない。
素性が悪いものを弄るのは、時間とお金の無駄。
5)電線やアクセサリーで確かに音は変わる。ただし、機器を変えるほどには変わらない。
電線は機器の気に入らないところを自分に合わせるための調味料と心得る。
味の素の味しかしない料理を食べたくないと思うなら、アクセサリーもほどほどに
するべき。
ようするにしっかりしたものを選んで、あとは使いこなしが問題だということなのです。
使いこなしとは、やみくもにケーブルやインシュレーター、電源のコンディショナーや
怪しげなギミックに頼ることではなく、基本を論理的に捉えて、なにがネックになって
いるかを論理的に考え、どのようにそのネックを取るのが一番良いのか=コスト的に一番
効率が良いのか、を考えることです。
すなわち、部屋の広さ・機器の配置、電源などの基本要素に内在するネックとなる課題を
どのように解いていくのかというのがオーディオという趣味の本質なのです。ここが所謂
「音楽鑑賞を趣味とする人」と、「オーディオを趣味とする人」の分かれ道なのです。
たぶん誰にでも当てはまるような基本的なネックとなる課題と、解き方を上げると
電源系 コンセントをホスピタルグレード等のしっかりしたものにする。
(ただし、電気工事資格者の協力が必要。Leviton5362系か、Hubbel8300i
系が無難な線。お勧めしないが、JISにこだわる人ならCSE CON-1。)
基準となるアースをきちんと取る。特にプリアンプに基準となるアース
を取り、CDPやフォノイコライザ、パワーアンプ、スピーカーも
アースをこの基準から引っ張ることが肝要。
(ちゃんと地面にアースを取るか、テスラクランプや、アコースティッ
クリバイブRE−9などを使用してグラウンドを取る)
AV系、デジタル系、アナログ系(アナログ系もできれば、パワーアンプ
とそれ以外のAC電源も分けたいところ)のAC電源をできれば、壁コン
セントを共有しないようにする。この場合、AV系のアースとオーディオ
系のアースは分離することが望ましい。(ブレーカーから別々に
取れるともっと良いが、誰もがそれをできるわけではない。)
スピーカー スピーカーがぐらぐらしないように、しっかりとした土台を用意する。
個人的には大理石が好きだけど、一般的にはもっと硬い中国産の山西黒等が
推奨されている事が多い。スピーカーの底面の鳴らし方がよく問題になる。
特に、JBLの中大型モニターやALTECなどの北米系統、Tannoy/KEFなど
のイングランド産のスピーカーがこれに当たる。
これらのスピーカーはB&Wやウエストレークオーディオなどとは違い、
箱も音を構成する発音要素と考えているので、箱の鳴らし方がそのスピーカー
を使いこなせているかを決めるといっていい。
スピーカー底面の鳴らし方とはスピーカー底面と床をどの程度、素材は
何で離すのかと言うことである。
バイワイヤ対応機種ならバイワイヤするべきである。
スピーカーの天板がちゃんと水平になるようにする。
スピーカーの設置は影響が大きい。
基本形は、スピーカーのユニット間を結ぶ線を底辺とする正三角形の頂
点で聞くことだ。このときに、背中の方向にある程度空間があることが望ましい。
ある程度とは、人が問題なく通れる程度。自分の耳にユニットの中心点が
向いているようにセットするのを基本として、そこからスピーカー後方の
壁面に対してスピーカーの両端の角を、5mm〜10mm単位で外側や内側
に向けていくと、自分の好みの位置が見つかる。
一般的には外側に向けるといいはずだが、人によって極端な内振を好む
人もいる。
スピーカーの背面や側面を壁にくっつけたり、近づけたりしすぎると低
音がブーミーになり解像度が落ちる。最低でも側面は5cm以上。背面
は30cm以上空けたいところ。背面にバスレフポートが有る機種の場合は
50cm以上、できれば70cm以上空けたい。人が通れる程度(90cm)
程度はなれるほうが本当は良い。
機器系 アンプやプレーヤーがぐらつかないようなしっかりとしたラックを用意
する。アンプやCDプレーヤー、DACのような自由振動させるべき
機器の干渉を排除する。(すなわち重ねて置いたりしない。)特にCD
プレーヤーやアナログプレーヤーの水平をきちんと取る。
スピーカーや他の機器の細かな振動の影響は意外と大きい。できれば
一つの棚には一つの機器のみ置くほうが良い。通常売っているインシュ
レーターやスパイク受け等は、外部内部の細かな振動を変調してしまい、
結果的に音に載るので、よほど好きな方向でなければ多用しないほう
が良い。もっとも元々がプラスチックの足だったら、まだどんなインシ
ュレーターでもましだが。金属っぽく見せかけて中身がペラペラのプラ
スチックだというのが結構な高級機でも意外と多い。
インシュレーターは基本的に1)振動開放系、2)振動変調系、3)振
動吸収系に分類できる。1)は、IronAAの義経系統とSAPのリラクサ
が相当する。天井から機器を吊るのもこの方向。
2)が最も多くて、水晶や金属はてまた石まで色々有る。3)は1)
とよく似ているが相晶金属系や制震ゴム系がこれに相当。いわゆる振動を吸収
するネジだとか振動を吸収する薄い金属シートだとか、制震ゴム、プラスチック、
複合素材系である。
3)は良くなることも多いが強磁性体であったり、特有の響きが載る
ことも多いので、これも頼りきらないほうが無難。
個人的結論を言えば1)が王道。3)はチープで意外と効くが、頼り切
りは禁物。2)は好みに合えばラッキーという感じ。
個人的に2)で敢えて推奨するなら弁慶スパイクか弁慶ベース。
特にスピーカーに推奨。
ケーブリング 最短でかつAC系のケーブルと、信号系のケーブルが重ならないように配
線する。機器付属の線では心もとないので、せめて3000円から一万円程度
の線は付けてあげよう。
一般的に機器の1/3程度の金額のACケーブルは必要だと覚悟しておくと
いいようだが、最初からそんなに飛ばすと怪我をするので、あまり高価なもの
に内容を知らないうちに飛びつかないこと。
ケーブリングが真価を見せるのは早くても3日目。どうかすると一ヶ月かかる。
(AC電源線はとりあえずなら、根岸ACを推奨。でも好みがあるかな。)
(とりあえずのスピーカーケーブルは、47研のOTAKIT 0.6mmを推奨。)
線材としてはプロオーディオの世界では日立電線、品川電線、三菱電線あたり
の単線が結構評判いい。縒線になるが、ベルデンの何番が好きだという人もいる。
カナレあたりだって悪くない。
部屋 定常波のチューニングでは、スピーカーを壁から離したり、必要に応じて吸音材
(クッションとか、使わない毛布、ソファー、布製の家具、厚手のカーテンなど)
を配置したりする。スピーカーの位置が一番音に敏感に反応する。部屋の長さを奇数
で割った位置にスピーカーのユニットを置くのが基本。
部屋によって違うのと、メーカーによってもちょっとずつ違うのがセッティング、
ヒアリングしながら一番良い位置を見つけるとよい。スピーカーネットをスピーカー
の側面前方や、後ろに立てかけるのも割りと有効。
こういうことなのです。
その上で高価なケーブル(電線)や、高価な機器に手を出していい。それもできれば試聴させてくれる
ところで買うべきだと思います。機器そのもので言えば、内部を改造する前にコネクターを磨くとか、
フューズを磨くとか、内部のコネクターを磨くとか、コンタクトクリアを薄く塗るとか・・・そういう
ことをやってからで全然遅くは無いのです。逆にそういうことをやってから、クロックを換えたりしま
しょう。それがオーディオの趣味としての本質なのです。機器の買い替えはそれからでも遅くない。
(改造したら遅いかもしれないが(^^;))
自分の使いこなしがどうなのかをちゃんと見つめて、お金を使って欲しい。
新しくオーディオやる人がこの文章を見るとはあまり思えないけれど、これから入ってくる人には
こういうことを見据えてオーディオを楽しんで欲しいと思います。
(C) 1st Storage Audio 2002-2003
2002年6月6日
2003年4月一部改定・補筆